ある時、「赤ちゃんは泣いてばっかり」と4歳の男の子が私に言いました。泣いていても抱っこすればすぐに泣き止んだり、遊んでいる際にも突然泣く事があるので不思議に思ったそうです。赤ちゃんはまだお話が出来ないので「うんちがでたよ」「抱っこして欲しいな」と色々な気持ちを泣いて教えてくれていると分かりやすく説明すると共に、みんなにも赤ちゃんの頃があった事も伝えました。
すると赤ちゃんが泣いていると「お腹すいたんやって」「お姉ちゃんに抱っこして欲しいんやって」と思いを想像して汲み取り、私たち大人に伝えてくれるようになりました。また、どうしても手が離せずすぐに抱っこしてあげるのが難しい時に、「いないいないばあ」とあやしてくれる姿もよく見かけます。「ありがとう、赤ちゃん楽しいって笑ってるね」ととても嬉しそうな赤ちゃんの気持ちを代弁すると、「僕も赤ちゃんの時これされたら嬉しかってん」と少し照れくさそうに言っていました。そのような光景を見る度に心がとても温かくなります。
これからも何気ない疑問にも丁寧に応え、時には一緒に考えてみたりして子どもたちの世界を広げ、一つ一つの行動を見逃さずに認めてあげられる保育者でありたいと思います。

子ども達と共に日常を送っているとしばしばそんな声をかけられることがあります。家事の手を止め「見て」と持ってきたものを見ると、ふざけて描いた落描きや悪戦苦闘しながら折った折り紙、はたまたセロハンテープと裏紙で創造したもはや本人にしか理解できない代物まで様々です。
クスクス笑いながら描いた面白さや何とか折りきった時の達成感、こんなもの作れたぞ！という得意気な気持ちなど、「この気持ちを共有したい」という相手に子ども達は私を選んでくれたのです。私はそれが無性に嬉しく感じます。
この仕事をしていると様々なところにやりがいが散りばめられています。そんな沢山のやりがいの中でも私はこの「お姉ちゃんこれ見て！」を暖かくて可愛らしくて大切に思うのです。 きっとまた子ども達は「お姉ちゃんこれ見て！」とあの顔で駆け寄ってくるのでしょう。次はどんな面白いものを見せてくれるのか、今から楽しみです。